人をつなぐ街と海|湘南スタイル  28 東宝ハウス湘南

早朝の海に颯爽と現れた新嶋莉奈さん。日本でも屈指のプロウインドサーファーだ。それにしては、あまり日焼けもしていないが……。鎌倉育ちの新嶋さんは父親がプロウインドサーファーということもあり、4歳のころから海へ。「海は入るより眺めている方がよかったです」と苦笑いするが、自他ともに認めるセンスと集中力でめきめきと頭角を表して、パリ五輪出場にもう少しで手がかかるまでに。だが、東京五輪の後にギアが一新され、パリ五輪では東京五輪に比べて適正体重が15キロほど重くなった。新嶋さんが使いこなすためには大幅な増量が求められることに。結果、無理な食生活がたたり血糖値障害に見舞われ10キロも体重が減り、メンタルにも影響が。オリンピックへの道ばかりか、ウインドサーフィンもあきらめることになった。だが、この秋に朗報が届いた。世界中で同じ問題が多発していたことから国際協会がルールを改正。新嶋さんは再びウインドサーフィンへの情熱を取り戻して、2028年開催のロサンゼルス五輪を目標に挑戦を再開した。「オリンピックを目指すことは生半可な思いではできない」と過酷な道であることは覚悟しつつ、新たな夢を追うことになった。「本当はのんびりと大好きな鎌倉でゆっくり過ごしたいんですが」と笑う新嶋さん。世界の頂への歩みは始まったばかりだ。

Back Number