人をつなぐ街と海|湘南スタイル  12 鎌倉、浜辺の収集家 東宝ハウス湘南

朝日のきらめきがまぶしい鎌倉のビーチ。一人の女性が下を向いて、黙々と砂浜を見回している。おもむろにしゃがんで、何かをつまみ上げた。指先にあるのは、小さなプラスチック。愛おしそうに微笑んで、太陽にかざす。ビーチプラスチックスハンターのオダジュンコさんだ。日の出とともに近所の海に向かい、砂浜で出合ったプラスチックを収集する。そんな暮らしをもう10年以上も続けている。「元々、ものすごく収集癖があるんです。プラスチックだけでなく石やガラス、木の実とか。とにかくビーチで目について『いいな』と思ったものを手に取るんです。『元は何だったんだろう。どこから来たんだろう』と想像するのがすごく楽しいから」。現在、オダさんはビーチプラスチックスをテーマにアート制作をし、ワークショップも行っている。特に人気なのは、子ども達に向けてのイベントだ。自分で拾ったビーチプラスチックスを使って、自由な発想で工作を楽しむ。今、海洋のプラスチックゴミが問題になっているが、「教育するのは苦手」と語るオダさん。子ども達も、自分と同じように楽しみながら、大切なことに気づいてもらえればと思っている。

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