人をつなぐ街と海|湘南スタイル  10 大磯の土が教えてくれた暮らし方 東宝ハウス湘南

大磯の山のてっぺん。遠方には富士山を臨み、彼方には海がきらめく。太陽の光をさんさんと浴びる畑は命にあふれる。フードスタイリストとして活躍する二宮祐子さんが生まれ育った土地だ。「イノシシやシカが出ます。人間に会うより遭遇率が高いです(笑)」。実家は鎌倉時代から続く農家。幼少のころから農作業を手伝ってきたが、大学卒業後はアパレル業界へ。「山暮らしで、土臭い生活が嫌だったんですよ。その反動で、東京へ出て華やかそうなファッションの世界に進みました」。その後、ヘアメイクのマネジメントも務めたが、やがて東京で働くことに行き詰った。「時間が不規則な仕事。自分に向き合う暮しができない」。「やっぱり戻らなきゃ」と故郷を生活の基盤に。そこで改めて気づいたのは食の大切さ。地元の自然食品店やカフェで勤めるうちに、現在の仕事にたどりついた。実家の農園は環境にも人にもやさしい循環農法。その野菜や地元の食材を使って、雑誌やウェブでのレシピ紹介、ケータリングをして、多くの人を楽しませている。テーマは「畑をそのままテーブルに」。二宮さんが手がける料理には、豊かな土の香りが漂う。

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