小春日和の週末、鎌倉の海辺を散歩しているひと組みの家族。海から注ぐやわらかな太陽の光の中から、笑い声がこぼれてくる。
　大木さんファミリーは、父親の新次さん、母親の幸子さん、長男の一郎さん、妹の咲桜（さら）さん、そして愛犬チップとデールの６人家族。結婚して18年の新次さんと幸子さんは、ずっと鎌倉・材木座暮らし。時とともに新しい家族が増えていった。この海は大木さん達にとって思い出の場所。かつては、みんながサーフィンやボディボードを楽しみ、海辺で一緒に過ごすことが多かった。だが、一郎さんは高校に入りラグビーに全力投球、中学生になった咲桜さんはボディボードに打ち込みジュニア日本一に。幸子さんは主婦業をしながら昨年プロボディボーダーへ、新次さんは仕事で多忙な毎日。ここのところ、みんなでのんびりと海で過ごすことはなかったが、今日は久しぶりの家族だけの時間。
　来年、高校を卒業する一郎さんは海外へ。子供達は明日に向かって歩み出す。家族が顔を合わせる機会も少なくなる。だけど、またみんなでこの海辺を散歩することだろう。材木座海岸は家族の“絆”だから。